『手首を切った

 けど無意識に傷口を押さえて

 救急車に助けられた


 自殺に 失敗した』



ただっ広いインターネットという空間に書き込まれた

このたった一言に、どれほどの人がどんなことを思うのだろう


同情してもらいたいわけではない

かといって、冗談だと笑われるのも癪だ


つまり僕はどうされたいんだろう


誰かが言った

『命』というものの大切さに気付いていない、と

たしかテレビのスピーカーから聞こえてきたはず

その瞬間、僕は反射的にテレビを消したっけ



『命の大切さ』なんて人それぞれとらえ方は違うっつーの

そういっていた彼が、犬を殺しているところを見てしまったのは僕だ

彼のとらえ方は、僕とは大きく違っているみたいだ


おじいちゃんが死に際に言った一言、それは


悔しい



ただそれだけ

何が悔しいのかわからないけど

おじいちゃんはきっと向こう側までも

この世でのむしゃくしゃを持って行ったってことだろう

僕も、自分で命を取ろうとしたおろかさにたいする後悔を

死ぬときまで引きずっていくのかもしれない



さぁ、時間だ

ここはとある公園

ナイフはある ほかはなにもいらない

後悔はびりびりにした

なぜなら、別に僕は死ぬわけじゃない

僕という個体がなくなるわけじゃない

僕という個体から僕という魂が抜けるだけだ



あれ、それじゃ残るのはただの個体?

僕の魂こそが僕の個体だし

それじゃあ、残るのはただのゴミだし

つか捉え方なんて人それぞれだっつーの

あれ、口調が変だな

ま、どうでもいいジャン

やっべーこういうときに限って変なこと思い出すわ

犬とか殺したなぁ

おじいちゃんも死んだなぁ

なんでもいいや はは

斬っちまえ

あー痛てえ

やり残したことあったかぁ?

そういえばオレブスに振られたんだっけ?

あいつ……絶対殺す

このナイフで……



うぅ……痛てぇ

死にたくねぇ!
傷口が 止まれ! とまれよぉ



赤い光が……みえ……

……










一番最後まできたら一番上までループしてくれると話がつながるかもしれません

ゆりかごLIFE



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2008.07.12 


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